2010年9月19日日曜日

新藤兼人監督。

NHK教育TVのドキュメンタリー番組で、98歳の監督が自分の最後の監督作品にしようと「一枚のハガキ」を撮り終わるまでを追った番組を見終わったところである。これは来年に公開されるという映画である。その時点で新藤監督は99歳である、と締めくくっていた。
眼は片方はほとんど見えず、もう片方は白内障で、見えにくくなっているという。耳は聞こえにくいようだ。普段は寝た切りにならないためにお孫さんが考案した体操のようなことをしている。しかし、クランクインすると車いすに乗って指示やダメだしをする姿に年齢は関係ない。御自分の監督としての原風景を最後に描きたいという気持ちが彼を元気に撮影にむかわせているのだ。
身体は孫の介護を必要とされているが、頭は映画のことでいっぱいの様子であり、絵コンテも自分で描き脚本家としての姿をスタッフ全員に見せ、尊敬されているのだ。
こんな98歳は絶対に少ないぞー。映画に対する執念のようなものが彼の頭をいつまでも元気にさせていると感じさせられた。
出演者の年配の俳優が最後の作品だという監督の言葉をさえぎり、笑って、「まだまだ次の作品も撮り続けて下さいな」と答えていた姿が印象的だった。

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